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2024.12.03 ブース

簡易クリーンブース設置メリット3選!活用事例と注文方法を解説

簡易クリーンブースを設置することで、冷暖房効率や作業効率向上効果があります。クリーンルームよりも安価で設置でき、また移設なども簡単な点がメリットです。

簡易クリーンブースの導入を検討しているものの、設置メリットや活用事例がわからず、困っている方もいるでしょう。

この記事では簡易クリーンブースの概要や種類、導入メリットと活用事例、注文方法について紹介します。

クリーンブースとは

クリーンブースとは製造工場や研究開発空間で使用される、ホコリの除去・除菌を実施する設備です。間仕切りなどを利用し、異物の混入などを防ぐために使用されます。

また冷暖房効率の向上、作業場を仕切ることで作業効率アップにも役立つ設備です。

クリーンブースの種類

クリーンブースにはふたつの種類があります。

ひとつ目はHEPAフィルタを用いて、微粒子を取り除いて正常な空気を循環させるタイプのクリーンブースです。

HEPAフィルタとは空気清浄機などに使用される、高性能なエアフィルターのことです。空気中にある0.3μm以上の粒子を取り除けます。

クリーン空間を維持できる高機能な設備ですが、社員へのブース使用研修など、特殊な知識や技術が必要です。

ふたつ目は単純に空間を仕切り、同施設からの異物混入を防ぐ簡易的なクリーンブースです。

設置費用が安価で導入時間もかなり短いため、機能的に問題なければまずは、簡易的なクリーンブースを導入すると良いでしょう。

クリーンブース導入のメリット

クリーンブースの導入メリットを3つ紹介します。

製品の品質維持

クリーンブースを導入すれば、製品の品質維持効果があります。施設内で発生する埃や異物の混入を防げるためです。

また、カーテンによっては帯電性能・防虫素材を選べるため、繊細な製品や飲食物などの衛生面が気になる製品を保護できます。

施設内空調の改善

クリーンブースの設置により、施設内空調の改善効果があります。空間をカーテンで仕切るため、冷暖房効率を改善可能です。

また塗装作業場スペースなど有害物質が発生する現場でクリーンブースを活用すれば、適切な換気設計によって労働環境を向上できます。

屋外に有害物質が含まれる空気を排出しないため、環境への配慮にもつながる点もメリットです。

作業効率改善

簡易クリーンブースを設置すれば、作業効率の改善にもつながります。簡易クリーンブースは柔軟な設計が可能なため、効率よく作業できる動線設定が可能です。たとえば管理スペースと作業スペースを区切ることで、作業と検品を効率よく進められます。

簡易クリーンブース活用例

実際に岸工業株式会社の簡易クリーンブースを導入した事例から、活用方法を紹介します。

【引用】https://www.kishikogyo.co.jp/case/4000/

室内ブースを設置し、冷暖房効率をあげた事例を紹介します。天井には固定シートを設置、側面はカーテンと短冊のれんを組み合わせました。

建物の天井が非常に高く、エアコン効率がよくないため、自立式ブースによって空間内の室温を効率的に管理できます。

また室内クレーンの使用を考えて、天井には開閉式シートを一部使用して動線を阻まないよう工夫しています。

【引用】https://www.kishikogyo.co.jp/case/4026/

工場内の温度管理と防塵対策のため、間仕切りカーテンを使用した簡易クリーンブースの設置が可能です。

上記事例では温度管理効率と防塵性能の向上のために、レールと生地の間にできる隙間にタレシートという垂れ下がる生地を設置しています。

【引用】https://www.kishikogyo.co.jp/case/3874/

上記の事例は、防塵と熱中症対策のための簡易クリーンブースです。自立性の特注品となっており、動線を阻まないよう設計しています。

間仕切りブースで冷気をしっかり囲い込み、作業者の熱中症を予防するよう設計しています。

また、ブース側面をカーテンにすることで、ブースへの出入りもスムーズです。

簡易クリーンブース注文の流れ

簡易クリーンブース導入を検討している方向けに、注文の流れを紹介します。

サイズ(幅×高さ)を測定

まず、ブースを設置したい場所の幅と高さを計測しましょう。基本的に簡易クリーンブースの設置範囲は、幅×高さで考えます。

ただし長手方向が10m以上など長い範囲にわたって設置したい場合は、面を複数に分割して設置するケースもあります。

また高さ4m以上の場合は、カーテンの開閉に支障が出るリスクがあります。カーテンの開閉に支障が出る場合は、別の部品を取り付けたほうが動線を乱しません。

オーダー時に長さや高さに合わせ、業者が設置方法などを提案するため、まずは長さを計測して設置範囲を伝えましょう。

カーテンの生地を決定

簡易クリーンブースに使用するカーテンの生地を決定します。使用目的によって生地選びが異なるため、わからない場合はオーダー時に業者に問い合わせましょう。

岸工業では、以下の性能をもつ生地が選択できます。

性能生地特徴
防塵対策・空調対策透明ビニール一般的な透明ビニール生地。クリア素材で中がクリアに見え、視野を妨害しません。空間の仕切りに適しています。
透明ビニール(防炎)防炎性能を兼ね備えた一般的な透明ビニール生地。
糸入り透明ビニール見た目の威圧感がなく、視野を確保可能です。透明ビニールに比べ、引先による破れの広がりを防止できます。
防虫対策    防虫フラーレ防虫性能をもつ透明ビニール素材です。生地の色をオレンジにし、虫が好む光の波長をカットします。
糸入り防虫ビニール防虫性能があり、引き裂きの破れが広がりにくい生地です。
帯電防止・制電対策    セイデンクリスタル透明性が高く、帯電防止効果に優れた生地です。 表面抵抗率10(8)Ω~10(9)Ωです。(※カッコ内の指数が高いほど性能値が低くなります)
糸入り透明ビニール(帯電防止)帯電性能に優れ、糸状に入った糸で引き裂きの広がりを防止します。
不燃・その他クリアクリスタル不燃性能があり、透光率が90%の透明度のため視界を遮りません。ガラス繊維生地の中では比較的柔らかく、さまざまな用途で使用できます。
セイデンF特殊な導電性が片面に施されており、帯電防止性能に優れています。また両面塗工タイプも選択可能です。防炎性能もついているため、帯電・防炎双方を求める現場におすすめです。
ミエールのれん型のカーテン生地です。短冊形になっているため、自由に設置箇所に垂らして防虫・防塵対策ができます。

【参考】間仕切りカーテン – 岸工業株式会社

そのほかにも現場で改善したい点があれば、オーダー時にお問い合わせください。

納品・設置

選択したカーテン生地や各種部品を納品するときに、同時に設置施工します。

まとめ

簡易クリーンブースの設置で、冷暖房効率や作業効率の向上、また製品の品質維持効果を得られます。

さらにクリーンルームよりも安価で、費用を抑えて設置・維持できる点もメリットです。

記事で紹介した簡易クリーンブースの活用事例やオーダー方法を参考に、目的や用途に応じたクリーンブースを設置しましょう。 岸工業株式会社では、簡易クリーンブースを設置場所や動線、解決したい悩みに応じてオーダーできます。カーテン生地や設置方法の提案も可能なため、岸工業株式会社のお問い合わせフォームよりご連絡ください。

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